8月19日の星空
2020年の夏の晩は、南の空に明るい星が2つ輝いていました。
光害に行くと天の川が見えて美しい星空が楽しめる領域なのですが、市街地ではこの辺りには明るい星がないので、今年は街中でもひときわ目立ったのではないでしょうか。
当日の星空は、以下のようになります。
南の空に輝いていたのは、木星と土星でした。
右側でひときわ明るく黄色く輝いていたのが、木星です。この日の光度が‐2.7等級。
左側の茶色っぽい感じで少し暗い星が土星で、0.3等級。
自分の住んでいるアパートからは、下の写真のように見えました。
実際には、街灯かりの影響で、いて座は見えていませんでした。
郊外では、天の川の左側に明るく輝く木星と土星があって、なかなか賑やかな眺めであったのではないかと思います。
ガリレオ衛星
望遠鏡を木星に向けてみましょう。
普段自分が使っている8センチ屈折望遠鏡で、50倍位の倍率で見ると、木星が横に伸びた楕円形をしている事と、縞模様が二本見えてきます。
そして、木星の横に何個か星が並んでいるのが見えます。
これは、70個以上ある木星の衛星の中でも特に大きい4つの衛星で、ガリレオ衛星と呼ばれています。
その名前の通り、1610年にガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡を木星に向けた際に発見したものです。
ガリレオ衛星は、望遠鏡を使わなくても、双眼鏡で確認できるほど明るいものです。
8月19日は、左からエウロパ・カリスト・イオ、木星の右側にガニメデ、4つ全てが見えていました。
自分のデジカメは感度が低く、残念ながらカリストがほとんどわからない位しか写りませんでした。
当日の木星
望遠鏡の倍率を150倍位に上げてみると、更に模様が見えてきます。
下の画像は、動画の一コマをキャプチャーしたものです。実際には、大気の揺らぎがあり、ゆらゆら陽炎を通すように見えています。
8月19日の大気の状況は、良くもなく悪くもなく、大体いつも通りの感じでした。
この揺らぎが小さいほど、木星は良く見えることになります。そして、倍率を上げる程この影響を受けやすくなります。
この画像を見ると、中央の縞模様の他に、上の方も帽子をかぶっているような模様があることが分かります。
また、下の方もぼんやりと暗くなっているように見えます。
画像処理後
このようなゆらゆら揺れていてぼんやりとした画像を使って、細かい模様を浮き上がらせるソフトがあります。
RegiStax6.0というフリーソフトです。このソフトは、数百枚の画像または動画の各コマを重ね合わせて(スタックと言います)、ウェーブレット変換という特殊処理をして、惑星の模様をより鮮明に浮き上がらせるものです。
このソフトを使い始めて日が浅いので、まだ十分に使いこなしていませんが、見よう見まねで処理してみたものが下の画像です。
2本の縞模様がまっすぐではなく複雑になっていて、上下(南北)の模様も大分はっきりしてきました。
自分が使用しているデジカメでは、鮮明な映像を撮影するのが難しいので、近々新機材を導入する予定です。
Youtubeに動画をアップしました。こちらの方もどうぞ。
使用機材
鏡筒
ビクセン FL80S (8㎝フローライト屈折)
赤道儀
ビクセン スーパーポラリス
カメラ
Lumix GX8
拡大レンズ(アイピース)
タカハシ Or7mm