はじめに
自分の過去の海外出張に於いて、盗難や犯罪に巻き込まれたことはありませんが、同行者が被害に遭っているのを見ています。
海外へ渡航するにあたり、ガイドブックにも注意するよう書かれていますが、日本にいると安全ボケしているためか、少し現実感がないように思います。
まずは、自分が遭遇した海外での事例について紹介します。
ハンドバッグひったくり (タイ)
地方での仕事を終えてバンコクに帰ってきた自分たちは、ホテルにチェックインした後タクシーでシーロムに出かけて夕食を食べようという事になりました。
ホテルを出て、通りで流しのタクシーを呼び止めて、自分はタクシーが怪しくないか左後ろのドアを開けて中を覗き込みました。
女性社員と自分の間にわずかな隙間が出来たその一瞬、自分は全く気付かなかったのですが二人乗りのバイクがその間に入って来ました。
「キャーツ」という声に驚いて振り返ると、バイクの後ろの男が彼女のハンドバッグをひったくって、そのまま走り去って行ってしまいました。
ハンドバッグの中には若干のタイバーツと会社のガラケーなどしか入っておらず、しかも怪我がなかったのが不幸中の幸いでした。
コンデジをすられる(モンゴル)
モンゴルでの各種対応を、2グループに分かれて行っていました。その方は、自分とは別のグループに入っており、マーケットに視察に行くと言って出かけて行きました。
夕食の際、合流すると、何か沈んだ顔をしていました。
「どうしたんですか」と尋ねてみると、コートのポケットに入れておいたデジカメ(コンデジ)を、マーケットでぶつかった男にすられてしまったとのことでした。
出張は1月、モンゴルは‐40℃近くまで冷え込み大変寒い時期で、デジカメのバッテリーが上がらないようにコートのポケットに入れて防寒していたとのことですが、厚着をしていたためコートのポケットの感触があまり感じられなかったことも、原因の一つかもしれません。
オートバイの二人乗りでのひったくりは、ベトナムでも現地の人に注意するように言われました。また、マーケットでの観光客を狙ったスリは、世界各国で多発しているようです。
貴重品とは
ご紹介した事件2件は、被害は割合軽微で怪我がなかったため、ある意味諦めがつくものでしたが、もっと大事なものを取られてしまったら大変だったと思います。
いわゆる「貴重品」です。海外旅行における貴重品は、主に以下の3つだと思います。
1. パスポート
2. クレジットカード
3. 現金
パスポートについては、紛失した場合滞在に不自由が生じるだけでなく、日本に帰国できなくなってしまいますし、クレジットカードについては自分の財産がなくなってしまうも知れません。
そういう意味では、現金はまだ怪我が少ないようにも思いますが、一人で旅をしている場合水を買ったりタクシーに乗ったり、普段の生活にかなりの支障が出ることになります。
これらの物を携帯せずにホテルの部屋に置いておけば良いのではないかという意見もあると思います。
宿泊しているホテルが三ツ星で、信頼できるところであればリスクは低いと思いますが、ホテルの従業員のレベルが必ずしも高いとは言えないので、お勧めできません。
日常よく使う物
貴重品ではないけれど、海外で良く使う物と言えば、何といっても「ペン」と「紙」、いわゆる筆記用具です。
筆記用具の主な用途
・ ホテルやレストランでの支払いの際のサイン (大体は置いていますが)
・ 英語が通じない場合の筆談 (中華系では漢字を、その他ではイラストで説明する)
・ 領収書が出ない場合の即席領収書
・ 連絡先や名前など、大事な事項のメモ (自分用、相手用)
・ 目印やそのものがズレていないかのマーキング (油性ペンが良い)
このように、筆記用具は常に肌身離さず持ち歩くのがお勧めです。
自分の貴重品対策
以上の防犯や貴重品の対策と、良く使う筆記用具の持ち歩きなどを考慮して、愛用しているパスポート入れがあります。
今迄15年間使用して、非常に満足しているだけでなく、今迄盗難の被害に遭ったことはありません。
今回、そういう意味で皆さんに紹介するとともに、お勧めします。
下の画像が、その実物です。セキュリティの関係もあり、クレジットカードは抜いています。
① ここには、主にANAのクレジットカードを入れています。
② ここには、主にJALのクレジットカードを入れています。
③ ここには、主にその他のクレジットカードと、親会社の安全センターのカードを入れています。
※ 行き先によって搭乗する航空会社が異なりますので、大韓航空のマイレージカードなど場合によっては持って行くカードと入れる場所が変更になります。
※ 海外では、カードの種類によっては使えない場合がありますので、大体3種類のクレジットカードを持って行きます。
④ ここには、主にメモ用紙を入れています。
※ 自分は技術系の仕事をすることもあるので、カードタイプのノギスを入れたりもします。
※ 画像の④の部分に移っているのは、爪楊枝です。これは、海外の長時間移動で歯磨きが出来ない場合に使います。
⑤ ここには、e-チケットを入れます。
⑥ 裏側の横から入れるポケットに、パスポートを入れています。
⑦ 折りたたむ反対側のファスナ付きポケットには、緊急用の現金を入れています。二つ折りの財布に現地通貨の現金を入れて、ズボンのお尻のポケットに入れています。この状態では、財布をすられることはまずありません(自分でポケットから取り出すのもちょっと大変なくらいの厚みになります)。
※ 緊急用の現金は、主に100ドル(少しくずして)を入れています。
⑧ 一番よく使うボールペンです。
⑨ 油性ペンです。
⑩ 予備のボールペンです。
※ 海外では、乾季に埃っぽい場所があり、ボールペンのペン先に細かい砂埃が入り込み、インクが出なくなることが多々あります。予備は必須です。
⑪ 首掛けひも
実際にこのパスポート入れを着用している様子です。
首から下げて、左ポケットにしまい込んでいます。
下げ紐は、体との隙間が出来ないように長さを調節します。これは、腕に提げていたハンドバッグのバイクのひったくりの際に感じた教訓です。
おわりに
海外でひったくりやスリなどの犯罪に会わないように、また忘れ物をしないように、必要な物をまとめたりリスク回避のため分散させたり、工夫をすることはとても大事です。
是非、今回紹介した内容も含めて、安全対策をしたうえで、海外旅行をお楽しみください。